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4月1日に当会から「TBS社による重大かつ明白な放送法4条違反と思料される件に関する声明」と題する声明とTBSへの公開質問状を発出したところ、4月6日、同社が「弊社スポンサーへの圧力を公言した団体の声明について」と題するプレスリリースを発表しました。 あえてコメントを控えて、両方を掲載いたします。ぜひ、読み比べていたただきたく存じます。ご判断はこれをお読みのすべての皆様に委ねます。

視聴者の会の声明文

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私たち「放送法遵守を求める視聴者の会」では、この度、TBS社の報道番組を広く調査した結果、重大かつ明白な放送法第4条違反と思料される事実が判明したので、その件に関して、声明を発表する。

 

放送法第4条1項の“政治的公平性”に関する規定は、従来、放送事業者の“放送番組全体で判断する”とされてきたが、“放送番組全体”とは、期間も対象も不明でり、“政治的公平性”の量りようがない、いわば“マジックワード”のようなものであった。しかし、この従来の見解に関する解釈について、“番組全体は一つ一つの番組の集体”であるとの自明の理である見解が平成28年2月12日、総務省による政府統一見解で表明されたため、下記期間を対象として、放送事業者たるTBSの番組編集の実態を“見て”みたものである。

TBSを対象に選んだ理由は、昨年12月、当会の公開質問状に対して、同社が「私どもは公平・公正な番組作りを行っており、今後もその様につとめて参ります。」と回答したが、この回答が実態と程遠いのではないかとの多くの視聴者からの調査要請があったためである。

検討対象は、報道番組に限らずバラエティー番組も含め、24時間、安保関連法案が話題に上った全番組で、日付は平成27年9月13日日曜から20日日曜までの8日間である。

同期間におけるTBSの安保関連報道時間は13時間52分44秒、ストレートな事実報道と言えるのはその内7.3%、それ以外は何らかの意味での賛否の色のついた報道とみなされるので、それを全て「賛成」「反対」「どちらでもない」に分けて検証した。

その結果、「どちらでもない」を入れた場合、「どちらでもない」が53%、「賛成」が7%、「反対」が40%であった。「どちらでもない」を外すと、賛否バランスは賛成15%、反対85%である。時間に換算すると、賛成報道は58分17秒、反対報道は5時間12分であった。

賛否のとり方については、当会に批判的な人たちから政治的不公平だという声が上がらぬよう自重を極めた。法案に反対する野党が国会内で揉める長い場面や「法案への理解が進んでいない」などというコメントが殊更に挟まる場面は法案反対の意図が明白だと思われるが、あくまで中立報道とみなし「どちらでもない

に含めた。即ち、平均的な視聴者の印象としては、当会調査による「どちらでもない」の殆どは、法案反対の印象を与える場面だったことを申し上げておく。

【平成27年9月13日日曜から20日日曜までの8日間の調査結果】

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さらに、賛成側の有識者、コメンテーターは、世上、多数に上るにも関わらず、賛成側有識者によるコメントは殆ど放映されなかった為、賛成にカウントした場面の殆どは安倍首相、中谷防衛大臣による国会答弁のシーンである。もしこれらと野党の批判場面を全て客観報道として「どちらでもない」に含めると、実質的な「賛成」の報道時間は限りなくゼロに近くなる。局側が用意したコメントは、全放送番組、長時間に渡りほぼすべて法案反対側だった。

以上の調査結果に対する当会の見解は以下の通りである。

 

放送法4条について、当会は、恣意を極力介在させないために、現在、放送法を解釈する上で事実上唯一のリファレンスとなっている「放送法逐条解説」(平成24年発行最新版)をもとに、以下のように解する。

同解説には、以下の記述がある。

 

「表現の自由といえども絶対無制限ではなく公共の福祉に反しないよう行使しなければならないという外在的内在的制約を有している。このため、放送番組編集の自由についても絶対無制限の権利が認められていると考えることは妥当ではない。放送については本法第1条において放送を公共の福祉に適合するよう規律することを明らかにするとともに、法律に定める権限に基づく場合は一定の制約があることを認めている。」(P.54)

 

ここで言う「制約」こそが、まさに放送法第4条である。

 

第1条が定める不偏不党と真実の保障を具体化したものが、第4条の二「政治的に公平であること」及び第4条の三「報道は事実をまげないですること」であり、また、政治的公平の確保は第4条の四「多様な意見への配慮」と合わせて考えるべきである。これらも「放送法逐条解説」に明記されている(P.60)

 

その上で、放送法第4条が求める放送の政治的公平性については、平成 19 年の総務大臣答弁において、「一つの番組ではなく当該放送事業者の番組全体を見て、全体としてバランスの取れたものであるかを判断することが必要」との見解が示されている。

 

高市総務大臣は、これに加え、二つの事例を挙げて「一つの番組のみでも極端な場合においては、一般論として「政治的に公平であること」を確保しているとは認められないとの見解を示した。

 

高市大臣によるこの新見解に対しては批判もあるが、今回の調査結果は、TBSの当該時期の報道は、従来の総務相見解を以てしても、放送法4条に明確に違反していると断定せざるを得ない結果であった。しかももし仮に調査期間を安保法制論が沸騰していた7月から9月の3か月間に延長しても、この数値に大きな差異は認められないと推定される。その場合、TBSは、四半期に渡り、報道の名のもとに、全社をあげて特定の立場からの政治的プロパガンダを繰り広げていたことになり、株主に対する責任は極めて重大と指摘せざるを得ない。

 

ところで、時間公平では政治的公平性を測れないという見解がある。では何で測るのか。自分こそが正義であり、その立場から公平性を測ればいいといわんばかりのジャーナリストや学者が、今回の事例で多数現れ出たことに当会は衝撃を禁じ得ない。自分の正義を絶対視する人々がリベラルを標榜する、これほど傲慢で滑稽な自己矛盾はあるまい。

 

我々の主張は一貫して簡単素朴なものだ。放送事業者の役割は、あくまで様々な論点を国民に知らせるメディア=「媒介」であり、そうした多様な見解に触れた国民が、自ら主体となって政治決断を重ねてゆく以外に、民主社会における世論成熟の方法があるはずがない。一定の見解に立つ放送事業者、学者、ジャーナリストが、電波を独占して、特定の方向に論調を誘導するのは洗脳であり、国民の知る権利の妨害であり、民主主義の破壊であり、どのような正当性をも決して有しない。もし正義を主張する人間によるそのような恣意的独占が許されるならば、ヒトラーがTBSを、ムッソリーニがテレビ朝日を、スターリンが日本テレビの経営権、編集権を占拠して、「正義」の名のもとに恣意的な報道を始めた時、国民は知る権利と自由を守り、民主主義を守るためにどんな手段があるというのか。

 

時間公平を強く要求することは、そのような不当な民主主義の破壊を防ぐ、現時点で最も簡単で有効な手段だと、当会は強く主張する。

 

一方、放送法第4条は法規範ではなく倫理規定だとの主張も執拗になされてきた。

 

しかし放送法適用の標準的なガイドラインと言える前述の「逐条解説書」は、第4条に明確に違反している場合における、総務大臣による電波停止を次のように明記している。

 

「本法違反について放送局の運用停止等を行うことができることとしている本法第174条又は電波法第76条を適用することについては、放送された本法第4条第1項に違反したことが明らかであること。」

 

勿論、放送法第4条に定められた「政治的公平性」や「多角的論点の提示」は曖昧な概念であり、このような概念を根拠に政府による罰則を適用するのは極めて危険である。が、今回のTBSによる安保法制報道は、議論の余地も政府による恣意の介在も許さない、局を挙げての重大かつ明確な放送法違反とみなし得よう。残念ながら、現行の標準的なガイドラインに従えば、TBS社は電波停止に相当する違法行為をなしたと断定せざるを得ないのではあるまいか。

ただし、誤解ないように強調したいが、当会は、政府が放送内容に介入することには断固反対する。

 

もしも電波停止のような強大な権限が、時の政権によって恣意的に用いられたならば、民主主義の重大な危機に直結する。いかなる政権も、どんな悪質な事例であれ、放送事業の内容への直接介入に安直に道を開いてはならない。

 

だが、それならば、今回のTBS社の事例のような、深刻な放送法4条違反に対して、国民はどう権利と自由を守ればいいのか。

 

限られた公共財である電波を排他的に占有し、社会的に強大な影響力を保持している放送局の一つが、明らかに政治運動体と化している。報道の自由が「無限の自由」であるかのように誤認した放送事業者の活動が、国民の知る権利と衝突している。

 

4か月余りにわたる我々の警告に対して、放送事業者もジャーナリスト、メディア学の専門家も、極端な賛否バランスの問題性、違法性を一切認めようとせず、論点を「安保法制の違憲性如何」や「政府による言論弾圧」にすり替えて自己正当化を図り続けた。その自浄能力、反省能力のなさに対して、当会は、日本の民主主義と自由の為に、深刻な絶望を抱かざるを得ない。

 

そこで、当会は、以下、法律違反を犯したTBS社、倫理向上委員会を名乗る任意団体BPO、TBSの報道番組のスポンサー企業各位、国会それぞれに以下のような要望を申し入れることとした。

 

◆TBSへの要望
1.この度の当会の調査結果に対して、放送法第4条の二及び四を遵守していると考えるか否か。遵守しているとの判断ならば、その根拠を明確に示すこと。

 

2.放送法第4条の二及び四に抵触したことを認めるのであれば、その責任を明確にし、再発を防止するため直ちに全社的な対応を取ること。

 

よく言われるように放送法第4条が「倫理規定」であるのならば、その「倫理」をこれだけ守れていない以上、視聴者、スポンサー企業に対し、法的、社会的責任を自らとることを強く要求する。

 

3.責任の取り方として、以下の対応を求める。

 

(1)第三者による調査・改善委員会の設置。人選については多様な立場の専門家で構成し、対立する見解を持った構成員を最低限保証すること。「お友達委員会」であってはならない。

 

(2)調査においては、安保報道全期間とし、放送法第4条に抵触する「違法性」の所在を自ら明確にすること。

 

(3)原因究明と再発防止のための具体的方針を明らかにすること。

 

*とりわけ、個別の番組、また放映曜日によっても多数の制作会社、人員が関わっているにも関わらず、なぜここまで局全体の論調が統一されてしまうのか、その構造的原因を明らかにすること。それができない限り再発を防げないと当会は考える。

 

(4)経営陣が辞任を含めた明確な形で引責すること。

以上に関して、取り組みの方向性を明示した「誠意ある」回答を4月8日までに発出するよう要望する。

 

◆BPO=(放送倫理・番組向上機構)への要望
1.この度当会が明らかにした時期の、安全保障法制をめぐるTBSの報道について、放送法第4条の二及び四に鑑みた違法性を確認すること。

 

2. 原因を究明し、再発防止のための具体的な勧告を出すこと。

BPOから誠意ある回答がない場合、予てからその存在に疑問の声があるBPOの実態について、当会として調査を開始し、国民にとってより納得のいく形の、真の第三者委員会の設立を目指す。

 

◆スポンサー企業への働きかけ
当会は、日本経済を支える優良な多数のスポンサー企業に対して圧力行動をとりたくはない。

しかし、TBSが上記要望に対して4月8日までに「誠意ある」回答を発出しなかった場合、一定の形式や節度を重視しつつも、国民的なスポンサー運動の展開を検討せざるを得ない。その場合は以下の手順をとるであろうことをここに予告する。

1、当該番組のスポンサー企業各社に対して調査報告を送付。

 

2.スポンサー企業が問題の所在を確認し、自らの判断により適切に対処することで、違法報道による社会的な負の影響(ネガティブ・インパクト)にスポンサー企業自身が加担するリスクを防ぎ、社会的責務・株主に対する責務をより良く果たせるよう提言書を添付。

 

3.放送事業者とスポンサー企業が協同して果たすべき社会的責任について、広く国民的な注意喚起運動を開始する。

 

◆国会への要望
放送制度の抜本的な見直しについて、以下の項目に関する検討、議論を要望する。

1.放送事業者、政府双方からの独立性を確保し、多様な国民の意識を反映した放送監督制度の確立。現状では、政府機関の、しかも独任制の大臣が監督処罰権限を持つために、実効性ある規制が言論・表現の自由の観点から困難であるという構造的問題がある。監督機関の独立化によりこれを解消すべきだ。

2.電波停止より手前の、現実的に適用可能な処分の新設。「金銭的制裁」など。アメリカ、イギリス、フランス等の規制機関には金銭制裁が存在する。

3.「電波オークション」導入の検討。現在、テレビ局全体の電波利用料負担は総計で34億4700万円。それに対し営業収益は3兆円を超える。電波の“仕入れコスト”は、営業収益のわずか0.1%ということになる。電波オークションの導入は、価値に見合った電波使用料の適正化と共に、事業者の入れ替わりを原理的に可能にすることで、既存の放送授業者が信頼性を維持向上する動機付けとなる。(電波オークションを行っていない国はOECD加盟34カ国中3カ国だけ、先進国では日本だけである。) 以上

 

視聴者の会の声明文

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 弊社は、少数派を含めた多様な意見を紹介し、権力に行き過ぎがないかを チェックするという報道機関の使命を認識し、自律的に公平・公正な番組作りを行っております。放送法に違反しているとはまったく考えておりません。

 

今般、「放送法遵守を求める視聴者の会」が見解の相違を理由に弊社番組の スポンサーに圧力をかけるなどと公言していることは、表現の自由、ひいては民主主義に対する重大な挑戦であり、看過できない行為であると言わざるを 得ません。

 

弊社は、今後も放送法を尊重し、国民の知る権利に応えるとともに、愛される番組作りに、一層努力を傾けて参ります。

 

平成28年4月1日(金)、

事務局長小川榮太郎、呼びかけ人ケント・ギルバート、上念司の3名で、記者会見を開催し、声明文の発表を致しました。

テレビ、新聞含め16社のマスメディアにお越しいただき、また会見の様子はニコニコ生放送で放送されました。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv258009572

ニコニコ動画のアカウントをお持ちで、かつ、プレミアム会員の方はタイムシフトにて当時の中継を再生できます。

また、ユーザーの方がyoutubeへ動画をUPしてくださっています。(ありがとうございます)

こちらよりご覧ください。

会見で発表致しました声明文は、下記リンクよりPDFでお読み頂けます。

平成28年4月1日放送法遵守を求める視聴者の会声明文

取り急ぎご報告でした。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

この度当会では、大谷昭宏氏、金平茂紀氏、岸井成格氏、田勢康弘氏、田原総一朗氏、鳥越俊太郎氏、青木理氏の7名に宛てて公開討論会の呼びかけを行いました。呼びかけ文は以下のPDFの通りです。
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また、公開討論番組の制作を日本放送協会(NHK)に依頼する文書を、各担当部署及び会長、宛に送付致しました。同時に、公開討論の呼びかけと番組制作依頼を行った事について、政治的立場を超えた有識者455名、マスコミ各社80社(91部署)へ資料とともに送付しお知らせ致しました。呼びかけをした7名、NHK両者共に回答期限を平成28年3月11日(金)17時までとしました。

放送事業の当事者であるジャーナリストの皆様とこの機会に是非、視聴者の知る権利と言論の自由の在り方について深い議論の場を持てる事を期待しております。

 

※この呼びかけに応じて頂けるでしょうか。皆様のご意見をお聞かせ下さい※

再び記者会見を開催致しました

平成 28 年 2 月 15 日、新たな意見広告の出稿に伴い都内で記者会見を開催致しました。

記者会見ノーカット版

ご来場頂いた報道メディア一覧は下記の通りです:

TBSテレビ
産經新聞東京本社(3名)
朝日新聞東京本社(6名)
毎日新聞(2名)
読売新聞東京本社
しんぶん赤旗
日本テレビ放送網
NHK報道局
ワック株式会社
やまと新聞
フジテレビ
週刊金曜日
TBSテレビ
株式会社日本文化チャンネル桜
フジテレビ
一社)日本民間放送連盟
しんぶん赤旗
テレビ朝日

 

公開質問状への回答に対して

事務局長・小川榮太郎より、年頭のご挨拶と共に、公開質問状への夫々の回答に対する所感を述べました。

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※クリックすると PDF ファイルをダウンロードできます。

公開質問状に対する回答

平成 27 年 12 月 22 日、夫々より下記の通りご回答頂いたことをご報告致します。

岸井氏回答
岸井氏からは、結局無回答となりましたが、その経緯は以下の通りでした。

 

12 月 4 日
公開質問状の返答期限であり、TBS からの回答は既に到着していた為、18 時頃、当会事務局より TBS に回答の確認電話を入れ、同社総務局総務部木村氏と次のやり取りがありました。

木村氏からは、岸井氏が返答しない旨のお答えがありました。
当会は文書で質問状を出しているので、内容についての返答をしない旨の回答は文書で頂きたいと伝えました。
また、その決定は、岸井氏個人の見解か、局としての態度かの返答も併せて求めました。

木村氏からは、岸井氏に確認するとの回答を得ました。

 

12 月 7 日
午前、当会事務局より、木村氏に改めて電話連絡したところ、局としてどう対応するかを検討する旨の回答を得ました。
夕方、関係者が多く調整がなかなか進まない、遅くとも一両日中に返事するとの電話連絡が入りました。

12 月 8 日
木村氏より最終回答として、下記の 3 点を承りました。

岸井氏は回答しないことに決めた。
TBS も局として無回答を承知した。

岸井氏、TBS ともに、岸井氏への公開質問状に関しては一切のペーパーを出さないと決定した。

 

視聴者の会のコメント

甚だ残念であります。岸井氏は放送局に属するニュースアナウンサーではなく、そもそもが毎日新聞の主筆まで務めた、現代を代表する「言論人」です。言論人とは、ついには、一個の個人の言葉の力のみに依って立つべきであり、その意味で、無回答という回答さえも TBS に代行させたのは、自ら、言論人の矜持を根底から放棄したに等しいと言えるのではないでしょうか。

また、氏は、今日まで、政治家など他者に対して、極めて厳しい要求を突き付け続けてきた「実績」をお持ちです。自らが社会的な批判にさらされた時には、自分が過去、他者に要求してきた所に顧み、恥ずかしくない言動を取られるべきではなかったでしょうか。

当会は、社からの回答はなくとも、個人としての資格による岸井氏の回答はあるだろうと期待していました。TBS に「無回答という回答」を代行させた氏に対して、強い失望を禁じ得ません。

株式会社TBS からの回答
TBS 回答

 

拝啓 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
早速ですが、11 月 26 日付けの貴信にてご照会のありました件につきまして、下記のとおりご回答申し上げます。

敬具

報道・情報番組において、経験豊富なキャスターやアンカーがニュースに対して解説、論評をすることは、これまでも広く受け入れられていると認識しています。
私どもは公平・公正な番組作りを行っており、今後もその様につとめて参ります。

以上

視聴者の会コメント

甚だ残念であります。当会は 3 点についての社の見解を伺いましたが、一つとして正面から回答されていません。第一に、岸井氏のアンカーとしての発言が社論か否かについて、また、社として今後この発言の方針での報道を取り続けるのか否かについて、言及を全く避けています。さらに、放送法についての社の今後の対応に関しても全く言及がなされていません。

当会は、キャスター、アンカーのニュースに対する解説、論評そのものを批判しているのではありません。岸井氏の発言は、同番組における一方的な賛否バランスの中で、解説、論評の域を遥かに超えた、政治運動の示唆である故に問題にしたのです。

更に、あろうことか、同番組の賛否時間比較表を付したにも関わらず、TBS は「公平・公正な番組作りを行って」いると回答しています。

これは、回答の根拠が主観にしかないということを意味します。

このような不誠実な回答により、TBS は、当会「呼びかけ人」の問いかけを無視したのではなく、当会が代弁している無数の視聴者の声を完全に愚弄したのであります。

視聴者を愚弄する放送事業者に、放送免許を自由に扱う資格はないのではないでしょうか。当会は、放送法の規定強化、総務省による監督強化などを訴えたことはなく、放送事業者による自主的な放送法 4 条遵守を求めてきました。それだけに、放送事業者の資格そのものに疑念を覚えざるを得ないような、余りに無慚、不誠実な TBS 回答は、甚だ遺憾であります。

高市早苗総務大臣からの回答
総務大臣回答

 

平成 27 年 11 月 27 日に、貴会より公開質問状をいただきました。

放送法第 4 条第 1 項第 2 号の「政治的に公平であること」について、総務省としては、これまで、政治的な問題を取り扱う放送番組の編集に当たっては、不偏不党の立場から、特定の政治的見解に偏ることなく、番組全体としてバランスのとれたものでなければならないとしてきたところであり、基本的には、一つの番組というよりは、放送事業者の番組全体を見て判断する必要があるという考え方を示して参りました。

他方、一つの番組のみでも、例えば、選挙期間中又はそれに近接する期間において、殊更に特定の候補者や候補予定者のみを相当の時間にわたり取り上げる特別番組を放送した場合のように、選挙の公平性に明らかに支障を及ぼすと認められる場合、国論を二分するような政治課題について、放送事業者が、一方の政治的見解を取り上げず、殊更に、他の政治的見解のみを取り上げて、それを支持する内容を相当の時間にわたり繰り返す番組を放送した場合のように、当該放送事業者の番組編集が不偏不党の立場から明らかに逸脱していると認められる場合といった極端な場合においては、一般論として「政治的に公平であること」を確保しているとは認められないと考えております。

以上は、私が国会答弁でも申し上げていることであります。

今般の質問状のご趣旨としましては、政治的公平に関する総務省の考え方について、分かりにくいのではないかということかと存じますが、現在、総務省に「放送を巡る諸課題に関する検討会」を設置しており、本件についても議論の対象となる課題から排除されるものではないと考えております。一方、表現の自由等との関係から大変難しい課題でもあり、現時点で総務大臣としての見解を即答申し上げることが困難であることも、ご承知ください。

以上、よろしくお願い申し上げます。

視聴者の会コメント

長文且つ誠実な回答を総務大臣から頂いたことに感謝申し上げます。

政治的公平については、「表現の自由等との関係から大変難しい問題」とし、「総務大臣としての見解を即答」できないとしながらも、総務省の見解として以下を提示してくださったことは、国民の「知る権利」を守る上で、重要な指針になると考えます。

1、政治的公平については、基本的には放送事業者の番組全体をみて判断する。

しかし、一つの番組でも

2、選挙中または近接期間に特定の候補者のみを取り上げるなどは政治的公平とみなせない。

3、国論を二分するような政治課題について、一方の政治的見解のみを長時間繰り返す放送をするなど極端な場合も、政治的公平を確保しているとは認められない。

という趣旨のご回答と理解しました。

そうしますと、総務省見解によれば、今回の岸井氏の個別の発言よりも、私どもが調査した安保法制可決前後の放送番組時間比較における極端な賛否バランスが上記 3 に該当し、政治的公平を確保していないと判断できることになります。

当会は、その観点から、放送事業者による主要報道番組の「政治的公平」の確保の為、今後、視聴者の観点から監視するシステムを構築すべく、準備中です。

それ以外にも、現在様々な形で放送法4条遵守への運動を進めており、年明け 1 月中旬までに、当会の活動は第二ステップに入る予定です。その時期に改めて記者会見で御報告申し上げる所存です。

それにつけても、本来、韜晦(とうかい)を事とするはずの行政の責任者が、あえて丁寧かつ誠実な回答につとめておられる一方で、言論人である岸井氏、放送事業者である TBS が誠意ある回答から逃げているということに、倒錯を感じます。この国の民間の言論は、自己責任能力や倫理感において、根深く病んでいるのではないでしょうか。

当会は今後もそのような現状に怯むことなく、地上波テレビ局の報道姿勢の公正化を促し、自由闊達な議論が随所で戦わされることによって、真に国民自身の合意が形成されてゆく、健全な民主主義の実現を目指す所存です。

 

平成27年11月26日、記者会見を開催しました

すぎやまこういち(代表呼びかけ人・作曲家)、ケント・ギルバート(カリフォルニア州弁護士・タレント)、上念司(経済評論家)、小川榮太郎(事務局長・文藝評論家)の四名により、都内ホテルにて記者会見を開催致しました。

ご参加下さったメディアの皆様

  • TBSテレビ
  • フジテレビ
  • IWJ
  • 日テレ
  • チャンネル桜
  • 朝日新聞東京本社
  • 日本民間放送連盟
  • 産経新聞
  • 日刊ゲンダイ
  • 毎日放送(MBS)
  • 毎日新聞
  • BPO
  • ワック株式会社
  • やまと新聞
  • 讀賣新聞
  • しんぶん赤旗
  • ニューズウィーク日本版

ダイジェスト版

https://www.youtube.com/watch?v=bUf-GfruOCc

 

ノーカット版

https://www.youtube.com/watch?v=oqCYnR8Snds

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